従来のゲージマニホールド方式と
専用機器の違いとは?
正確なガス充填の重要性
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共感+問題提起
カーエアコンのガス充填は、どこでやっても同じ――そう思っていませんか?
実は、充填の方法によって結果は大きく変わります。
特に重要なのは、“冷媒の量”を正確に測定すること。
もし量が合っていないと、エアコンが効かないばかりか、壊れてしまうリスクすらあります。
例えば冷媒を入れすぎる“オーバーチャージ”になると、次のようなトラブルが起こります。
– ① エアコンが“パンク状態”となり、部品を破損させる恐れがある
– ② 冷媒の気化がうまくできず、本来の性能を発揮できずに冷えない
つまり、ただ“入れればいい”のではなく、正確に量を管理することが肝心なのです。
しかし従来の整備工場で多く使われている ゲージマニホールド方式 には、次のような課題があります。
– 圧力を目安にしているため外気温による影響がある
– 測定者の技術による誤差が生まれる
– 正しい手順で行わないと配管内に空気が混入してしまうことがある
この記事では、この従来方式と、当社が導入している 専用機器による正確なガス充填 の違いをわかりやすく解説します。 -
従来のゲージマニホールド方式とは
従来から多くの整備工場で使われているのが ゲージマニホールド方式 です。
これはエアコン配管にゲージを接続し、冷媒の圧力を測定して充填量を判断する方法 です。
シンプルで広く使われてきた方法ですが、次のような課題があります。
① 外気温による影響を受けやすい
ゲージマニホールドは冷媒の“圧力”を目安にしているため、外気温が高いか低いかで数値が変動します。 同じ車でも、夏と冬では異なる結果が出てしまい、充填の精度にばらつきが生じます。
② 測定者の技術による誤差
ゲージの数値をどう判断するかは作業者の経験や技量に依存します。 熟練者であれば安定した作業ができますが、技術差によって誤差が生まれることもあります。
③ 空気が混入するリスク
ゲージマニホールドを正しい手順で扱わないと、配管内に空気が混入してしまう恐れがあります。 空気が混ざると冷却効率が下がり、最悪の場合はシステムを故障させてしまうリスクがあります。
このように、ゲージマニホールド方式は長年使われてきた手法ですが、外気温・人の技術・手順の正確さに左右されやすい という限界があります。
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専用機器によるガス充填とは
当社が導入しているのは、最新の専用ガス充填機器。
従来のゲージマニホールド方式とは大きく異なり、“正確な量”を基準にした作業 が可能です。
① ガスを一度すべて回収し、精製・測定
まず車両から冷媒ガスを回収し、専用機器の内部で水分や不純物を取り除きます。
この時点で 残量が正確に測定できる ため、「あとどれくらい充填すべきか」を明確に把握できます。② 車種ごとの規定量を正確に充填
メーカーごとに「エアコンに必要な冷媒の量」が規定されています。
専用機器ではその数値を基準に、誤差なく正確に充填できます。
これにより、オーバーチャージや不足のリスクを防止 できます。③ 作業品質の安定性
機械が自動で管理するため、外気温や作業者の経験に左右されません。
誰が施工しても一定の精度が保たれ、安定した結果を得ることができます。
つまり専用機器を使えば、常にベストな状態でガスを管理・充填できる のです。
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両者の違いを比較すると?
従来のゲージマニホールド方式と、専用機器によるガス充填。
この2つには、次のような違いがあります。① 誤差の有無
ゲージマニホールド方式
圧力を基準にするため、外気温や作業者の判断によって誤差が出やすい。
専用機器方式
規定量を数値で管理するため、誤差をほぼゼロに抑えられる。
② 作業品質の安定性
ゲージマニホールド方式
経験豊富な整備士であれば高精度だが、技術差に左右されやすい。
専用機器方式
誰が施工しても一定の品質が確保され、結果が安定する。③ 性能への影響
ゲージマニホールド方式
オーバーチャージや不足のリスクがあり、冷えが悪い・部品故障につながる可能性がある。
専用機器方式
規定量を正確に充填できるため、本来の冷却性能を発揮し、部品の負担も少ない。このように比較すると、エアコン本来の性能を引き出すには専用機器での施工が欠かせない ことがわかります。

